高嶺の花だけにショック
友達と飲みに行ったお店に、偶然遊びに来た友達の友達がいました。
私も何度か会った記憶はあるのですが、まさに高嶺の花です。
いつもおしゃれでさわやかで、気が利くうえに会話上手で場を盛り上げる人でした。
そんな高嶺の花が、私の隣の席に座ったのです。
ドキドキしましたが、悟られてはいけないので、冷静に会話しました。
次のお店に行く途中に、帰りは方向が同じだから送って行ってあげると言われ、本当に驚きました。
高嶺の花は誰にでもやさしいんだと自分に言い聞かせつつ、嬉しくてニヤケテしまいました。
飲み会もお開きになった頃、高嶺の花は私を送って行くからとみんなに告げて、さっそうとタクシーをひろいました。
あれほどお酒を飲んでいるのに、どこまでもスマートにこなす姿はさすがです。
ところがここから、大変なことになったのです。
高嶺の花の手が私の腰を引き寄せ、やたらと体を近づけてきます。
そして一言「キスがしたくなった」と耳元でささやくのです。
私はこの言葉に幻滅しました。
酔いもすっかり冷めて、タクシーを途中で降り、一人で帰宅しました。
高嶺の花もただの人だったことが残念です。
そして、別の話…
彼女は会社の上司です。
新入社員だった僕は、彼女から指導を受ける立場となりました。
社会人1年生だった僕にとって、彼女の存在はとても輝いて見えました。
仕事ができる上に、女性らしい面も持っています。
実際、社内でも人気があるようで、注目されている人です。
そんな彼女から仕事を教えてもらっているうちに、何となく付き合いが始まりました。
魅力的な人が彼女になり、僕も本当に嬉しかったです。
でも、どこかで上司としての立場を崩せない彼女がいました。
それだけ仕事熱心だということかもしれません。
いつしか公私混同してきたのか、プライベートで会うときにもぎこちない二人になってしまいました。
会社では今までどおりの関係でいることを決め、別れを決意したのです。