思春期からネットに頼る環境に潜む危機
最近、わからないことがあったら自分の足を動かすよりも、自分の頭を働かすよりも、専門家に聞くよりも、いつでもすぐに調べられるネットがあり、私もそれに頼っています。
そんな私が少しはっとする出来事がありました。
それは、家庭教師のバイトをしている私の中学1年生の生徒さんがわからない英単語をパソコンで調べようとしたのです。
もちろん、それでもいいのですが、自分で何度も辞書を引き、何度も書き込むことで暗記していくと私は思っていたので、パソコンで簡単に時間もかけずに調べた記憶はすぐ消えてしまうのではないのかなと心配になったのです。
ネットの利便性は中学1年生でもよくわかっています。
ただ、ネットの恐ろしさは中学1年生にわかるのでしょうか、私はかなり不安です。
一家に一台だったパソコンも一人一台の時代になり、中学生でも自分用のパソコンを持っている子がよくいるそうです。
そして、パソコンの良さはネットができること。
ネットが繋がらないようなパソコンはパソコンの機能の半分以下も使えていないと言っても過言ではないと思います。
そう思うと、子どもがネット社会に入り込んだ時に潜在している危険がまだまだ不明瞭な部分が多々あるのです。
もちろん、子どもには見せたくないような情報は排除できると思います。
それでも、子どもたちは自分の頭で想像する、考える、疑問に思う、というような思考をする前にネットで解決してしまうようになっているのです。
問題解決能力と10年ほど前よく教育学者が子どもに身につけさせるべき力だと言っていましたが、その力を根こそぎ奪っていってしまうのではないでしょうか。
わからないと思うことの大切さ、そして疑問を解決するアプローチの仕方が幾通りもあると言うことを知ってこそ、勉強なのです。
そのことを一番学ばなければいけない時期にネットで解決、そして解決した本人に危機感を感じさせないことは非常に危険だと私は思います。
私も幼いころは違いましたが、今では頼りきりの生活です。
ネットから少し離れてみると言う環境も今の時代大切な経験になるのかもしれません。