結婚相手と恋愛相手の違い

私はずっと、好きになった人と結婚するものだと思っていた。
こう書くと、さも好きでもない人と結婚したかのようだが、私の話ではない。
私の身の回りの話である。

私は、一番大好きな人と結婚できたらこんなに幸せなことはない、と思っていた。
でもどうやらそうも単純な話ではないようだ。
大好きな人と一緒になることは、必ずしも100%幸せとは言い切れないらしい。
よく聞く話では、結婚相手と恋愛相手は違う、とのこと。
そんなばかな、と昔は思っていたが、今なら納得できてしまう。
というのも、恋愛相手というのはどきどきする人のことだ。
一緒にいたり、その人のことを考えると気持ちが昂ぶる人。
でも、そんなどきどきする人と向かい合わせでご飯が食べられるだろうか。
毎日毎日、ヘマをして嫌われやしないだろうかという相手と一緒にいたら、気の休まる場面がない。
自分の素も出せないから、信頼関係を築くことすら大変だ。
一方結婚相手というのは、今後の長い人生を一緒に気楽に生きていける人、という観点で選ばれた生え抜きである。
全く気を使わないで生活できる相手。
そんな相手に尊敬できる部分や魅力的な部分を見つけられたら、それこそ敵なしである。
私の親しい知人の既婚者が言っていた。
昔本当に大好きな人がいて、残念だけどふられてしまった。
今は結婚して幸せだけど、その人のことは今でも世界で一番好きだと思う。
でも、その人が今目の前に現れても、私は家族を守るために生きていくことを選ぶ。
これを聞いたとき鳥肌がたった。
こんなに素敵な告白はない。
どんな美辞麗句よりも勝る、最強の愛の言葉ではないか。
そんな相手を見つけたいものだ、と心から思った。