友人の修羅場切り抜け法
私の友人は結婚願望が高いくせに、付き合う相手はみな不倫です。
今回のお相手も5歳年上のサラリーマンです。
奥様には会社の同僚とゴルフだの、休日出勤だのと嘘を並べて、2人はデートを重ねています。
私からすると、毎回デートはホテルの中で、おひさまの下をデートできないなんてつまらないと思うのですが、その秘密めいた所がいいそうです。
スリル感とでもいうのでしょうか。
ある時、友人と不倫相手がホテルでラブラブな最中に、奥様から携帯電話に連絡が入りました。
友人はいたずら半分にわざと声をだそうとふざけていたら、奥様が「誰か女の人と一緒?」と電話口で言ったのです。
不倫相手は慌ててしどろもどろになりました。
そしてごまかしながらも、どうにか電話を切りました。
友人は不倫相手にとても怒られたそうですが、反省したそぶりもなく、逆切れしてみせたそうです。
さすがです。
ベビーフェイスなだけに、怖さ倍増でしょう。
そして友人の決め台詞はホテルのドアに立ちふさがって「いかしてくれるまで帰さないから」この一言におやじはころりみたいです。
色情をつつしめ
松の内は明けたものの、まだ街中に寿ぎの空気が漂う1月のある日、私は当時つきあっていた彼と、初詣に出かけた。
少し遅い初詣になったのは、年末に喧嘩をしたまま年をまたいでしまったからであって、新年最初のデートだというのに、ぎこちない雰囲気は否めない。
それでも緑多い神社の境内を他の参拝客に混じって歩いていると、何となく華やいだ気分になり、自然と会話も弾んでいった。
お賽銭を投げ、おみくじでも引こうかと、巫女さんにお金を渡す。
先に引いた彼のおみくじを覗いてみると、「足元固めて地道に歩め」とある。
どうやら「大吉」や、「末吉」のようなものではなく、心がけるべき事柄が書いてあるおみくじらしい。
私の引いたくじには、たった一言「色情つつしめ」と。
思い当たる節が無きにしもあらずだったので、思わずううろたえる私。
「なんて書いてあった?」と、尋ねる彼には答えず、急いで境内の木にくじを結び付けてしまった。
その後、幾度かの修羅場を経て彼と別れたのは、ありがたいご忠告に従わなかったからであろうか。