育む

これまで私は嫉妬とは無縁だった。
なのに今、頭から離れない。
棲家を失くし彷徨う放浪者みたいに。
振られたことを母に打ち明けた。
すると母は言った「結局その人とは縁がなかったのね」。
縁!。
では、彼と縁あって赤い糸で結ばれた人って誰だろう?。

私は彼と出会った元の職場のメンツを思い起こした。
入社2年目のあの女の子。
品のいいエリート校出身だし、三田おとこである彼との釣り合いは完璧だ。
年齢も確か彼より6歳下。
さらに、そっち方面の経験はどう見てもゼロ。
つまりは真っさらの新品。
彼女は仕事をかこつけ、何かと彼のデスクへと近づいていた。
恋する男の傍、彼女の瞳はみるみる潤いを帯びる。
彼を等身大以上に評価しているその純真さ。
当時私は彼女を、余裕の気持ちで自分の学生時代と重ね合わせていたものだ。
私にも学生時代、あんな風に憧れていた先輩がいた。
ごつごつとした大きな掌は、高校の同級生なんかと比べようもなく、成熟した男性のそれだった。
盗み見るように見た先輩の胸元は、広く分厚い。
私は生まれて初めて自分の体の丸みと柔らかさを喜んだ。
その胸にくるまれたなら?手のひらを重ねあわせたら?。
そんな妄想とときめきを純な心で育てた日々。
ふと顔を上げれば、通りすがりの道なりに白梅が咲いている。
かすかに漂う梅の香。
よく陽を浴びて、すくすく開花する梅の木々。
まもなく満開を迎えるだろう。
彼はある日、こう思ったのかも。
育ててみるのもいいな、と。
つぼみは花と咲き、乙女は女性となり、濃密な夜は彼の支配下に横たわる。
清く正しい彼の愛弟子。
質のいい父親から堅実な夫へと手渡され、庇護され続ける恵まれた子女。
ふたりは同じ世界に所属している。
陽だまりで品よく生まれ育った佳き家の人たち。
そういえば、うちの梅はまだ咲かない。
日陰に位置しているせいかもしれなかった。
嫉妬を超えたシュールな巻き戻せない感が、今度は私を虚ろにさせる。

追記:男女関係が崩れた話など…

旅行に行って、ちょっとした行動で冷めた

旅行で有名なレジャー施設へ。
待ち時間も1時間とか当たり前。
待ち時間にずっと私の興味のないスポーツニュースを携帯で見ていて、無言。
つまらなくて、この人と二度と旅行行かないと思った。

彼氏と連絡が取れないと思いきや警察に逮捕されていた

1年付き合っていた彼氏と連絡が取れず心配して家に行ってみると、彼氏の親の通報によって逮捕されていました。