ビジネスライク

嫉妬。
これは女の専売特許かと思っていた。
が、男性のそれの方が何倍も濃度が高く、陰湿だ。

たまに男性は本当に大変な生き物で、女性でよかったのかもと思うほどだ。
学校の偏差値から勤め先、年収、妻の容姿、それからなんだろ?。

泣いてはなりません、男の子は強くなさい。

女の子は言われない。
むしろ涙は推奨される。
嫉妬は男性同志だけかと思っていた。

が、男女の仲に発展すると、当然そちらの嫉妬が渦巻く訳だった。
かつて20歳近く年上の男性と不倫した。
ずばりビジネスライクな関係だ。

だから嫉妬など生まれないだろう。
そうタカをくくっていた私は、本当に呑気で無防備だった。
その後、彼との関係は解消した、ってかフェイドアウトした。

不利益な取引は、状況が悪い場合のみ甘んじるものだろう。
彼とてその市場原理は、その仁義は承知しているものと思い込んでいた。
ところが、彼は厚かましくもこの関係を愛だと思っていた訳だ。

私は馬鹿だから、ストーカーされていることにも長年気づかなかった。
でも、彼は現われた。
何年間も執拗に付けまわしたことを告白した。

ついに会えたと、本気で安堵の表情をしていた。
どうやら探偵を使って調査していたらしい。
私はその間異性とは無縁の生活を送っていた。

サークル活動や勉強など、自由と若さを満喫していたのだ。
彼が探偵を使ってまで尾行した訳は、私への執着もあるだろう。
けれど、紛れもない理由のひとつ。

それは嫉妬だ。
他の男と寝る私。
他の若い男と愛と将来を誓う私。

本当に彼に愛があったなら、私の幸せを願うはずだろう。
でも、男性とは複雑だ。
彼は私を立派に憎んでいた。

犬のなかなか激しい嫉妬ぶり

私は小学生の頃から犬を二匹飼っていました。
最初に小型の室内犬を飼っていました。
とても可愛く大好きで毎日毎日一緒にいました。
家族みんなが溺愛していましたが、父は昔から大型犬も飼いたいとひそかに思っていました。

そんなある日、私が林間学校から帰ってくるとゲージがあり、その中に大型犬の子犬がいました。
とても驚きましたが、あまりに可愛いその姿にあっという間に心奪われました。
そんないきなり二匹の犬を飼うことになった私たち家族ですが、なるべく最初に飼っていた犬を優先するように心がけました。
犬も嫉妬をすると聞いたからです。
小型犬は最初はとても不思議がっていましたが、だんだん恐怖に変わっていったようです。
というのも自分より小さかった子があっという間にかなり大きく成長してしまったため、混乱してしまっているようでした。
よくテレビなどで何匹も多頭飼いしている人が、犬たちはみんな仲良しでと話しているのを聞きますが、我が家はまったくそうはなりませんでした。
二匹はお互いをとても嫌いあっているようでした。
どちらかがかまってもらっていると、もう一匹に対していいだろうとでも言わんばかりに誇らしげな顔をしていました。
犬の世界の嫉妬はとても怖いなと思ったのを覚えています。
そして私は主に小型犬を可愛がっていました。
少し大きくなった大型犬が怖かったのです。
しかし大人になってもっと子犬の頃から可愛がってあげればよかったととても後悔しました。
あまりかまわなかったにも関わらず、その子はとても愛情をぶつけてきてくれたからです。
動物を二匹同時に育てる難しさを痛感しました。